全日本航空(ANA)系列の飛行機をよく利用する方におすすめなのが、ANAカードです。クレジットカードとしてだけではなく、交通系ICと一体型になったタイプもあり、ANAマイレージをお得に、効率的に貯めることができるというポイントがあります。今回は旅行をもっとお得にできる、ANAカードの作り方をご紹介します。
目次
ANAカードの特徴
ANAカードは、全日本空輸グループ(ANA)が複数のカード発行会社と提携して発行しているクレジットカードです。ANAマイルが効率よく貯まる特典があります。ランクは一般会員からプラチナ会員まで幅広く用意されており、マイルを貯めながらお得に生活できるという普段使いから、社会的ステータスを示すことができる珠玉の1枚としてまで、幅広い層をカバーしています。ANAカードの特徴について、詳しく見ていきましょう。
マイルが貯まりやすい
ANAカードの最も代表的な特徴として、ANAマイルが貯まりやすいというものがあげられます。
ANAやグループ会社の航空便に搭乗するたびにもらえるマイルが、カードのランクに応じて10~50%程度増加します。また、日々のクレジット決済で貯まるポイントは、1,000円あたり1~10ポイント。このポイントを、1ポイントあたり1~15マイルに変換することもできるのです(一般会員はマイル変換のために移行手数料が別途必要となります)。
カード発行会社によってポイントの換算率が異なる
カード発行会社やランクによって、普段のショッピングにおけるクレジット利用額のポイントの換算率が異なります。
グレード | JCB | VISA | アメリカン・エキスプレス | MasterCard | Diners |
---|---|---|---|---|---|
一般・ワイド | 1000円=1ポイント=5マイル (移行手数料5,500円) | 1000円=1ポイント=5マイル (移行手数料6,600円) | 100円=1ポイント=1マイル (移行手数料6,600円) | 1000円=1ポイント=5マイル (移行手数料6,600円) | - |
ゴールド | 1000円=1ポイント=10マイル | 1000円=1ポイント=10マイル | 100円=1ポイント=1マイル | 1000円=1ポイント=10マイル | 100円=1ポイント=1マイル |
プレミアム | 1000円=1ポイント=10マイル | 1000円=1ポイント=15マイル | 100円=1ポイント=1マイル | - | 100円=1ポイント=1.5マイル |
AMEXとDinersは100円単位、JCB、VISA、Master Cardは1,000円単位になっており、よりAMEX、Dinersのほうが細かくポイントを積み重ねやすい仕様となっています。また、一般カードはマイル換算を行う際に移行手数料がかかる点にも注意が必要です。
会員特典がある
ANAカードでは、空港内の免税店、高島屋SHILLA&ANA、機内販売時に5~10%の割引優待を受けることができます。そのほか、ANAが主催するツアーへの参加が5%割引などの割引優待が受けられるほか、カードのランクが上がると、ビジネスクラスカウンターでのチェックインや、ANAラウンジの利用が可能になるなどの会員特典もあります。
ANAカードの種類
ANAカードは、カードを発行しているブランドとグレードによって、種類が分かれています。ランクごとに大きく分けると、以下の5種類となります。
- 一般カード
- ワイドカード
- 交通系IC一体型
- ゴールドカード
- プレミアム
ANAカードの年会費はグレードなどで異なる
ANAカードの年会費は、基本的にグレードによって異なります。
例えばVISAのブランドであれば、一般カード・交通系IC一体型カードが年会費2,200円、ワイドカードが7、975円、ゴールドカードは15,400円、プレミアムカードが88,000円と、大きな幅があります。また、同じランクのカードであっても、Diners、AMEXのカードはより年会費が高い傾向にあります。
VISAの場合
グレード | 年会費(税込) |
---|---|
一般 | 2,200円(初年度無料) |
ワイド | 7,975円 |
交通系IC一体型 | 2,200円(初年度無料) |
ゴールド | 15,400円 |
プレミアム | 88,000円 |
ANAカードの作り方
ANAカードは、18歳以上(高校生不可)であれば作ることができます。以下の手順で、申し込みが可能です。
- オンラインで申し込み書類の提出、送信
- 審査
- 審査に通過後、2週間程度で郵送される
カードの種類は豊富ですが、いずれの場合もオンラインでの手続きが可能であり、かつ手続き内容に大きな差はありません。
ANAカード申し込み時に必要なもの
申し込み時には、以下の書類が必要になります。
- 運転免許証などの本人確認書類
- クレジットカード利用料金引き落としのための銀行口座情報
インターネット上ですべての手続きを完了させたい場合は、書類に関しても登録内容をすべて入力することが必要になります。会社員の場合は、勤務先の正式な屋号、住所、本社電話番号、直通電話番号、従業員数などの情報を調べておくとよいでしょう。また、収入の証明として、源泉徴収票や納税証明書、確定申告書の控えなどを用意しておくと、よりスムーズに手続きを行うことができます。
ANAカードの審査について
クレジットカードには、以下の4種類があります。
- 銀行が発行しているカード(銀行系クレジットカード)
- Suicaなどの交通系のカード(交通系クレジットカード)
- オリコやライフカードなど信販系のカード(信販系クレジットカード)
- イオンやファミリーマートなどといった小売業者が発行している流通系のカード(流通系クレジットカード)
クレジットカードの審査は、銀行系カードが最も難しく、次いで交通系、信販系、流通系となります。ANAカードは交通系カードに属するもので、審査基準はそれなりに厳しいと言われています。
特にANAカードの中で人気の高い「ANA VISAカード」は審査が厳しいと考えられており、年間収入は最低でも200万円程度、確実に審査を通過したいなら400万円程度であることが望ましいと言われています。
ANAカードの家族カードの作り方
「家族カード」とは、クレジットカードの本会員と生計を同じにしている、配偶者や両親、高校生を除いた18歳以上の子供が申し込むことができるクレジットカードです。半額程度の年会費、もしくは規定枚数まで無料で持つことができる、というお得なサービスとなります。
ANAカードの入会時に、同時に家族カードを申し込みたい場合は、画面の案内に従って必要事項を入力するだけでOKです。すでに本会員になっている人が新しく家族会員カードを発行したいときは、会員専用ページから手続きを行うだけでカードを発行することができます。
家族カードは支払いをまとめることができるため、家計の支出を把握・管理しやすいというメリットがあります。年会費もお得になりますので、ぜひサービスの利用を検討してみてください。
ANAカードの選び方
数あるANAカードの中から、どのグレード、どの発行会社のカードを選ぶと良いのでしょうか。比較して、それぞれに合った1枚を選ぶ方法をお伝えします。
自分の用途に合ったクレジットカード
まず、最も重要なのは「自分にとって使い勝手のいいクレジットカードである」ということです。ANAカードの場合、飛行機に乗れば乗るほどマイルが貯まるという特徴があります。グレードが高いカードほど、マイルは貯まりやすくなっていますが、その分年会費も高くなっていきます。
目安としては、「飛行機にはそこまで乗らないけど、乗るならANA」という程度であれば、一般カード、もしくは交通系IC一体型カードがおすすめです。「年に1度海外旅行に行く」程度であればワイドカード、「毎年数回飛行機で往復する」のであれば、ゴールドカードを持ってもよいでしょう。プレミアムカードは年に数回海外に飛行機で行くという人におすすめです。
高額な年会費ではないか
先ほどもお伝えした通り、グレードの高いカードはマイルの貯まりやすさ、サービスの良さなどの観点から、魅力的なクレジットカードであることは間違いありません。しかし、高額な年会費のものを選べば、それだけ維持が大変になります。
カード決済額が高額になるのであれば年会費が高いカードのほうがお得になりますが、そこまで使う見込みがないのであれば、一般カードにしておくほうが無難です。また、ゴールドカードやプレミアムカードは、収入面においてステータスをかなり重視されるカードでもあり、審査を通るのも一苦労です。
収入と支出のバランスを見極めて、ちょうどよいカードを選ぶことが重要になります。
ポイントの換算率も確認
ポイントの換算率も、大切なファクターです。例えば、同じ一般カードであってもAMEXのほうが還元利率は高くなっています(AMEXが100円で1マイルなのに対し、他は1000円で5マイル)。年間維持費もAMEXのほうが少し高いですが、ポイント換算率を考えると、年間55万円以上クレジットカード決済を行うのであれば、AMEXのほうがお得という判断もできます。
年会費とポイント換算率をしっかり見極め、自分の収支バランスにあったクレジットカードを利用しましょう。
マイルが貯まるANAマイレージカードもある
ANAマイルを貯めたいだけの場合は、クレジット機能の付いていないANAマイレージカードもあります。こちらは入会金・年会費が無料で、スマートフォンアプリ対応のデジタルカードでもあります。クレジット機能はありませんが、その代わり審査もなく、マイルを貯めて飛行機をお得に使うだけであれば、充分な機能を持ったカードでもあります。ANAマイルを貯めるだけで構わないという場合は、こちらのマイレージクラブに加入するのもよいでしょう。
まとめ
ANAカードは交通系クレジットカードであり、比較的発行までの審査は厳しいものと思われます。しかし、JCB、VISA、AMEX、Dinersといった、国内外で活躍できる発行会社のクレジットカードを、お得に持つことができるという魅力もあります。ANAの航空機をよく利用される方には、ぜひ手にしていただきたい1枚です。